京都駅は、日本だけでなく世界中からのお客様をお出迎えする「京都の玄関」です。
その向かいに立つ京都タワーは、京都のランドマークとして知られています。
でもこの京都タワーと京都駅ビルは、どちらも建設当初には景観論争がありました。
長い年月を経て周りの景色に溶け込み、今ではすっかりおなじみになっています。
京都のランドマーク「京都タワー」は、今年53歳!
私は以前、京都タワーはその色や形から、ろうそくをイメージしていると思っていました。
京都にはお寺がたくさんありますからね。
でも実際には家屋の瓦屋根を波に見立てて、「海のない京都の街をを照らす灯台」をイメージしているそうです。
東京オリンピックの開かれた年にできたので、今年で53歳!
人間に例えるとしたら、すっかり中年の風格でしょうか。
何となくフォルムが女性的で、柔らかい雰囲気です。
でも、建設当初はずいぶん酷評されていたそうですから面白いですね。
その当時としては、古都に不似合いな、奇抜で特異なデザインと受け止められたのでしょう。
53年後の今の京都では、ランドマークとしてだけでなく、市民にとってもなくてはならない存在です。
「遠方に出かけて京都に帰ってきた時、京都タワーを見ると何だかほっとする」
誰もがそう言います。
もちろん、私も!(笑)
京都駅ビルは、見る位置によって映りこむ景色が変わります。
この日は、青い空とフワフワした白い雲が映っています。
晴れた日には青空のブルー、曇った日にはグレー、雨の日には鉛色…。
その日の天気や時間によって、映る色も変わります。
この位置からは、青い空と共に京都タワーが映りこんでいます。
「京都駅ビル」は今年20歳!
京都駅の工事はとても長くて、いつも囲い板があちこちに張り巡らされていました。
工事の音がうるさかったり、迂回しなければならなかったりで、結構ストレスでしたね。
あまりに長いので、永遠に終わらないのではと思えるくらいでした(笑)
やっと完成した時は、本当にうれしかったですね。
周囲(古都)の景観に合わないとか、建物が高すぎて街が分断されるとか、要塞のようだとか…いろいろ言われました。
できる前もできた後も、景観論争はものすごかったですね。
経済や歴史、文化、都市計画に及ぶ景観論争は、財界、仏教界から学者、一般市民まで巻き込んで激しく展開されていました。
でもあれから20年が経ち、いつの間にか景観論争について耳にすることはほとんどありません。
駅ビルに限らずできてしまったものに、異議を唱えても仕方がないよ的な空気。
次々建設されていくホテルやマンション…。
結局京都市の景観は、長いスパンで計画的に考えられていなかったということなのでしょう。
ヨーロッパの歴史的な都市と比較しても仕方がないですが、残念な気がします。
京都駅ビルを楽しむ!
でも個人的に、京都駅は大好きです。
初めて見た時、特にアトリウムの広さ、そして高さには目を見張りました 。
駅のコンコースに、これだけの吹き抜け空間を作る斬新さ!大胆さ!
見上げると、空が見えてすごく新鮮でした。
設計した原広司氏によるコンセプトは
京都駅ビルは「京都は歴史への門である」
という設計主旨から、平安京の都市の特徴である
条坊制(碁盤の目)を取り入れ、
玄関口としての象徴である「門」を
烏丸通と室町通に配しています。
また、中央コンコースを谷に見立てた段丘を東西に延ばし、
中央部はガラスと金属でカバーされたアトリウム。
空を映し出した壮大な内部空間と空に溶け込む外観を作り出しています。
東側と西側、双方にある階段やエスカレーターとフロアは、段丘のイメージなんですね!
西側(伊勢丹側)の三階部分にはステージがあり、様々なイベントに使われています。
そこから上に続く大階段が、ライブなどイベントの際、座席になるという発想も面白いです。
階段は171段もあるそうですよ。
これだけの広い空間が、一般の利用者に開放されている!
ちょっと感動的でしたね。
空に突き抜けるように高くそして広い、スタイリッシュな空間。
ここを訪れる人は、ひととき旅の疲れやストレスから解放され、のびのびと爽快な気分になるのではないでしょうか。
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