NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」のオープニング映像が、かわいくてステキ!
ヒロインの青春時代である1960年代の風景が再現されています。
ミニチュア写真家の田中達也さんと、CGアニメーター森江康太さんのコラボ作品だそうです。
見ているうちに、自分が小学校時代に体験した出来事を思い出しました。
朝ドラを見て思い出したこと
朝ドラのオープニング映像の中で、ガラスの瓶が並んでいるシーン。
ビルのイルミネーションを表現していて、カラフルでキラキラした感じです。
それを眺めているうちに、今まで思い出すことがなかった記憶が鮮明に蘇りました。
(ちなみに、ヒロインの生きた1960年代と、私の小学校時代は全然違う時代です。)
子供の頃のことを些細なことまで覚えている人もいれば、私のように結構忘れてしまう人もいます。
あこがれのミニマリストとまではいかなくても、どんどん捨てていくタイプの私は、物と同じようにいろいろな思い出も、けっこう忘れてしまっているようです。
そして何かのきっかけで、忘れていたことを突然思い出すこともよくあります。
蘇った小学校時代の記憶
小学校の二年生の時だったと思います。
クラスに父子家庭の女の子がいました。
誰かが大人たちが話しているのを聞きかじったのでしょうか?
「その女の子のお母さんが蒸発してしまった」という噂は有名でした。
みんなまだ「ジョウハツって何?」みたいな感じだったと思います。
わからないということは怖いことです。
誰かが本人に直接聞いたのでしょう。
その女の子が、「お母さんが男の人とどこかへ行ってしまった」ということを教えてくれました。
彼女のお父さんは小さなバーを経営していて、お母さんはホステスさんだったようです。
ある日クラスの友達と数人で、彼女の家に遊びに行ったことがありました。
その時の記憶が、長いこと忘れていたにもかかわらず、鮮明に蘇りました。
扉を開けて垣間見た世界
彼女の家は二階建てで、一階部分が店舗そして二階部分が住居でした。
数人が靴を脱ぐといっぱいになる、間口の狭い玄関。
急な階段を上って、彼女の部屋で遊びました。
しばらくして、トイレが階下にあるということで、彼女に案内されて降りていきました。
そこに在ったのは、それまで見たことのない世界!
子供心には、かなり衝撃でした。
一階は、まるで時間が停まったかのようにそのままで残されている「バー」だったのです。
カウンターには、背の高い椅子が何客か置かれていました。
そしてカウンターの中には、数えきれないくらい沢山のグラスとお酒の瓶。
マドラーや氷を入れる器、アイスピック…。
壁際にはボックス席というのでしょうか?
テーブルとソファの席がいくつかありました。
薄暗い店内でも、グラスのキラキラした輝きや、色とりどりのお酒の瓶の放つ輝きは強烈でした。
罪悪感に似た気持ち
これは大人の世界、それも夜の世界。
見てはいけないものを見て、知ってはいけない世界を知ってしまったような、罪悪感のような気持ちに包まれていました。
黙ったまま友達と顔を見合わせて…。
そのあとどうしたのかは覚えていませんが、何度か彼女の家で遊んだように思います。
でも、だんだん家には行かなくなりました。
何となく後ろめたいような気がしていたのでしょう。
もちろん彼女とは遊びましたが…。
大人になって感じること
あの平和な時代のオープニング映像を見て、なぜそんなことを思い出したのか不思議です。
子供心に、とても衝撃的だったからでしょうか。
罪悪感のような気持ちを持ちながら、秘密にしていたからでしょうか。
でも私は父親には、そっと話していました。
店の様子、お酒の瓶、何種類ものグラス…。
すぐにでもお店ができそうだと思ったこと 。
すごく不思議な、ドキドキするような気持がしたこと…。
父がどのように答えたのかは忘れてしまいましたが、特に叱られた覚えはありません。
今から思えば、おおらかな時代ですね!
大人の夜の世界を垣間見て、私がわかったこと。
それは、彼女のお母さんが本当に蒸発してしまったという事実でした。
「ジョウハツ」から「蒸発」になった瞬間です。
大人の世界は複雑で大変で、それぞれいろいろな事情があるんだということを知ったのだと思います。
そして今、そんな大人の時代を生きています。
けっこう楽しいものです!
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