2026年4月。短い桜の季節の忘備録を書き留めておく。
先週の金曜日。岡崎公園へ。とてもいい天気。平安神宮の大鳥居をくぐると、そこから続く景色はまるで一枚の絵のようだ。ゆったりと流れる疏水、その両岸には満開の桜が連なり、水面には淡い花びらが静かに浮かんでいる。

京セラ美術館の南側へと歩みを進めると、疏水沿いの桜はさらに華やかさを増す。やさしい春の日差しを受けて淡いピンクの雲のように広がる桜の花々が、風が吹くたびにひらひらと舞い落ちる。その様子はどこか儚く、それでいて心を穏やかにしてくれる。

ふと視線を水面に落とすと、大津へ向かう観光船がゆっくりと進んでいく。波を立てすぎないように、静かに、丁寧に。乗客たちもまた、この春のひとときを楽しみながら景色を眺めているようだ。

水は絶えず流れているのに、不思議と時間は止まっているかのように感じられる。せかせかとした日常を離れ、ただここにいるだけで心がほどけていく。長閑でやさしい光に包まれながら、桜と水と空が織りなす風景に身を委ねる。
春は、こんなふうに静かに訪れ、そして静かに過ぎていくのだろう。だからこそ、この一瞬を大切に味わいたい。ゆっくりと流れる時間の中で、ただ深く息をする。
そんな贅沢な午後だった。
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