マグナム・フォトの創立70周年を記念して、京都文化博物館で開催された「パリ・マグナム写真展」 に行ってきました。
パリをテーマにした131点もの作品は見応え十分で、観終わった後けっこう時間が経ちましたが、今も深く心に残っています。
マグナムとは
マグナム・フォト東京のホームページによると、マグナムとは以下の通りです。
1947年、ロバート・キャパ(ハンガリー人)の発案で、アンリ・カルティエ= ブレッソン(フランス人)、ジョージ・ロジャー(イギリス人)、デビッド・ シーモア("シム")(ポーランド人)らが創設した、会員が出資して運営する写真家の集団。
それまでは作品が掲載される際、写真家の意向にかかわらず、むやみに写真をトリミングしたり、不正確なキャプションをつけられたりすることが頻繁にあったが、これを防ぎ、写真家の権利と自由を守り、主張することを目的として、ニューヨークとパリに事務所が設置された。
「マグナム」の名は、シャンペンの大瓶に由来するといわれている。設立メンバーの国籍やバックグラウンドが多種多様であることは、そのままグループの伝統として引き継がれ、以降、様々な国のそれぞれに違った生活環境を持つ優秀な写真家たちが集まり、自らの情熱や興味の赴くままに、自分の好きな写真を撮り続けている。
メンバーの作品が最初に発表されるのは、世界の主要雑誌であることが多いが、それらのイメージは芸術性が高く、最終的に、写真史に残る名作として、ギャラリーや美術館などに収められることが多い。 現在ではメンバーの数も50名を越え、ロンドンと東京にも支社を置き、ドキュメンタリーだけでなく、コマーシャル、ファッション、ワークショップ、アートなど、様々な分野で、グローバルな活動を続けている。
京都文化博物館別館
京都文化博物館は、烏丸三条を東へ少し入った所にあります。
赤い煉瓦作りのこの美しい建物は旧日本銀行京都支店で、1969年に国の重要文化財に指定されました。
東京駅やみずほ銀行京都支店などと同じ「辰野式建築」です。
辰野金吾とその弟子の長野宇平治の設計で、1906年から1965年まで日本銀行京都支店として使われていたそうです。
現在は京都文化博物館の別館として使われています。
別館の玄関
京都文化博物館を訪れる時は、いつも三条通りに面した別館から入ります。
外観だけではなく、銀行として使われていたクラシックなホールの雰囲気も大好き。
「くろちく」など和雑貨のお店を横目に、中庭を抜けて「パリ・マグナム写真展」 が開催されている本館へ。
「パリ・マグナム写真展」を観て
写真展は全く混雑もなく、ゆっくり見てまわることができました。
内容的には、「1932年から現在までのパリをテーマにした131点の作品」です。
激動の20世紀、歴史の記録にとどまらない“市民の姿”
戦争で荒れ果てた街。政治主導で整備されていく街並み。
ミニスカート、ロック、ポップアート、芸術。
学生運動、社会運動、多様化していく社会…。
最近のテロ事件を予感させるような、移民社会を撮った作品も多くありました。
観終わった後で感じたこと。
瞬間を切り取ることで真実を伝える写真は、歴史を証言する上でとても必要なものです。
でもマグナムの写真は、それを超えてとても芸術的でした。
“平和”や“市民の権利” “表現の自由”などの様々なメッセージを感じました。
市民の中から生まれて育まれた民主主義は、やっぱり日本のものとは全然違いますね!
折しも今は衆議院選挙一色ですが、右往左往してる政治家のニュースを見るたびに置いてきぼり感が増していきます。
自分(個人、企業、団体、地域)の利益や、目先のことにしか関心がないのでは?
一体、日本はどこへ向かっていくのか不安です…。
「パリ・マグナム写真展」を観て、いろいろなことを感じ、そして考えさせられました。
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