『今日から俺は!』を観て
80年代に「ツッパリ」は社会現象にまでなりました。
人気漫画でドラマ化や映画化された『今日から俺は!!』は80年代の「ツッパリ」を描いたものです。
かつて大ヒットした「ビー・バップ・ハイスクール」と似ていますが比べてみると、ずっとソフトでコミカルな印象を受けました。
長ラン、短ランににボンタンやドカンといわれる幅広ズボンは、今見ると漫画チックでコミカルですね(笑)
『今日から俺は!劇場版』公式サイトより
80年代に流行った「ツッパリ」
70年代から80年代頃には「不良」のことを「ツッパリ」と呼ぶようになり社会現象にまでなりました。
今は「ヤンキー」っていう方がピンとくるかと思います。
確かに共通点はあるようですが「ツッパリ」と今の「ヤンキー」はちょっと違います。
80年代の「ツッパリ」は、主に中高生でした。
「荒れる学校」といわれたように、校内暴力の嵐が吹き荒れていました。
喧嘩や先生への反抗そして暴力です。
卒業式に警察に来てもらう学校もあったほどです。
そしてそれと並行して、世の中の流行にもその影響が現れました。
「ツッパリ」が流行に!
テレビドラマで人気だったのは「金八先生(第2シリーズ)」や「スクール☆ウォーズ」など。
映画では「ビー・バップ・ハイスクール」や「湘南爆走族」など。
そして「横浜銀蝿」などのツッパリソングもヒットしました。
「なめネコ」というとんでもないものまで流行りましたね(笑)。
学ランを着た猫の暴走族です。
子猫の無邪気な表情とのギャップもあって、大人気でした。
ツッパリソングではなかったけど尾崎豊の曲もヒットしました。
ご本人は残念ながら早世されていますが、曲は今でもよく流れています。
「盗んだバイクで走り出す~」「教室の窓ガラスたたいて~」「支配からの卒業」などといった歌詞が、当時の十代の心をとらえたようです。
学校の先生はあまり聴かせたくなかったみたいですが(笑)
「ツッパリ」の終焉
学校や警察は校内暴力には手を焼いたようです。
その後の警察の取り締まりや学校の管理体制の強化で、だんだん学校現場は落ち着いていきました。
そして目に見える形では「ツッパリ」は姿を消していきました。
しかし、それにかわって社会問題になったのは「いじめ」です。
そしてこれは、今も答えの出ない難しい問題だと思います。
スマホの普及は、いじめの舞台を学校からネットの世界へとかえていきました。
陰湿ないじめのニュースを目にすると、かつての「ツッパリ」が何だか懐かしい気さえします。
何故でしょうか?
それは「ツッパリ」は仲間を大切にしたり、社会や大人の納得できない部分に対して反発していたからではないかと思いますね。
私の周りにも「ツッパリ」はたくさんいましたが、クラスの子をいじめたりすることはなかったし、けっこう“男気”がありました。
ただテレビや映画の様なカッコイイものではなかったように思います。
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