京都の穴場スポット「鹿王院」を訪れました。
あまりの暑さで、できるだけ昼間は出歩きたくないのですが、緑の苔に散り敷いた沙羅の花を見ようと思い立ちました。
夏の鹿王院
嵐山を借景に建つ鹿王院。夏に訪れたのは初めてかも知れません。
ほかの季節に比べると、一段と緑が濃くて深いですね。
それにしても、予想通り暑い!京都特有の蒸し暑さです(泣)
そのせいか、より一層人が少なくて静かでした。
青紅葉の庭
少し色づいている葉もありますが、青紅葉の美しいこと!
もみじの木は、夏でも見応え十分です。
秋には真っ赤に染まった姿を見せてくれることでしょうね。
それもまた楽しみです。
昨年はライトアップされて、幻想的な雰囲気を楽しませてもらいました。
有名になって観光客が増えるのは、地元民としてうれしい反面、少し複雑です。
「せっかくの静寂な場所がなくなってしまうのでは…。」と思ってしまいます。
ちょっと自分勝手ですね(笑)
苔の絨毯
鹿王院の庭で、「禅」について考えてみました。
美しい苔の絨毯。草の香りがします。
視覚と嗅覚が刺激されて、感性が研ぎ澄まされていくようです。
「禅」というのは、己を見つめることから出発していると本で読んだことがあります。
ここに来ると、まさにその感覚。
静寂の中で自分と向き合い、“無心になれる” そんな感じです。
といっても、その境地に至るには夏は暑すぎですね(笑)
沙羅の花
沙羅の花は、夏椿ともいわれる夏に咲く花です。朝咲いて夕に散る。
しかも椿の一種なので、花びらを散らすことなく花ごと落ちるのです。
一日しか咲かず落花するさまが、はかなく無常だということで平家物語の冒頭に描かれています。
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらはす
奢れる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
猛き者もついには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ…
物語の冒頭部分の「沙羅双樹」というのは、沙羅のことのようです。
もともと、本物の「沙羅双樹」は インド原産のため、南国でしか育たないそうです。
そのため日本の多くの寺院では、沙羅の木を植えているということです。
京都では京都市植物園の温室で、本物の沙羅双樹を見ることができます。
お釈迦様が涅槃に向かった時、沙羅の木の間に横たわっていたそうです。
そして入滅のその時に、薄黄色の花がいっせいに白く変わったといわれているのです。
それにしても、緑の苔の上にいくつもの沙羅の白い花。
色彩的にはとても美しいと思いますが、禅寺の閑静な庭で見るとよりはかなく感じられます。
「一瞬一瞬を大切に生きるように」と教えられたような気がしました。
鹿王院の詳細については、以下の「関連記事」を参照してください。
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